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麻酔科 印刷する

概要特色

 

1.はじめに

私たち麻酔科医は、手術を受ける方が安全に手術の期間を過ごせるように麻酔管理をいたします。
手術の前に、手術を受ける方にお会いしてその方にあった麻酔を提供いたします。
是非、パンフレット「麻酔を受ける患者さまへ」をお読みください。パンフレットは外来診療時、手術適用の患者さんにお渡ししています。
そして、分からないことやご希望がございましたら、麻酔科医がお伺いした時にお話しください。
その時に、普段から内服している薬やアレルギーなどのあなたの体質について教えてください。
また、以下のような方は、是非、麻酔科医にご相談ください。

 

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 喘息
  • 神経・筋の病気
  • 血縁者に麻酔で問題が生じた方
  • 血縁者に悪性高熱症や悪性症候群がいる方
  • 特異体質の方
  • 以前の麻酔で問題があった方
  • 緑内障(眼圧が高い)の方
  • 心臓に異常がある方
  • 簡単な運動ですぐに息切れをする方
  • 異常な足のむくみを経験したことがある方
  • 腎臓や肝臓の異常のある方
  • 近日中に予防接種を受ける、または受けた方
  • 首や関節の異常がある方
  • 睡眠時無呼吸症候群の方
  • 最近、声が変わった方
  • 精神疾患の方
  • 医療用のテープにかぶれる方
  • 声楽家や声優の方
  • 下垂体や甲状腺、副腎などのホルモン異常の方
  • 抗凝固薬(血液をサラサラさせる薬) を内服している方
  • 他の人より大量に汗をかいたり運動をしなくても顔面が紅潮する方
  • 血が止まりにくい方
    (血友病・血小板の異常・凝固因子の異常・血管の異常など)

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2.麻酔の種類

A) 全身麻酔

全身麻酔は、通常、麻酔導入薬を点滴から投与することにより無意識にさせます。 意識消失後に、人工呼吸のためのチューブを口もしくは鼻から気道に挿入して、人工呼吸を行います。 手術(麻酔)中は、吸入麻酔薬や経静脈的麻酔薬を持続的に投与します。 手術が終わってから、麻酔薬の投与を中止します。麻酔薬投与中止後5分から15分で目覚めます。 目が覚めたことを確認してから、人工呼吸のためのチューブを口から抜きます。 この時、麻酔から完全にさめているわけではないので、およそ半数の方はチューブが口に入っている記憶はありません 。しかし、麻酔の後でのどの違和感や痛み、声のかすれを生じることがあります。この症状はおよそ半日続きます。 その後、状態が安定していることを確認してから、手術室から病棟もしくはICUやHCUにベッドで移動します。

 

地域病院および診療所・クリニック

これは、麻酔中の様子です。
麻酔科医は患者さんに装着されたモニターからの情報や、
直接患者さんを診察しながら麻酔薬の投与を調整しております。
必要に応じて治療をすることもあります。

 

B) 区域麻酔

区域麻酔には、脊髄くも膜下麻酔・硬膜外麻酔・各種神経ブロックが含まれます。脊髄くも膜下麻酔や硬膜外麻酔は、一般に、下半身麻酔と呼ばれるものです。これらの区域麻酔は単独で行うこともありますが、全身麻酔と組み合わせて行うこともあります。脊髄くも膜下麻酔や硬膜外麻酔では、膀胱や直腸の機能が一時的に障害することがあります。そのため、このような麻酔では尿道カテーテルを挿入することが多くなります。
原則として、意識下に腰や背中にブロックやカテーテルの挿入が行われます。よくある質問で「痛いですか?」と聞かれますが、多少の痛みを伴います。その多くはブロックやカテーテルの挿入のために前もって行う局所麻酔の時に痛みを感じます。また、効果がある間は、運動神経も障害されることがあります。そのため、足の動きが鈍くなったり、歩行できなかったりします。しかし、通常はその効果は3~6時間です。
脊髄くも膜下麻酔の場合は、麻酔後に起きあがるとひどくなる頭痛を生じることがあります。起きてしまった場合は、病棟の看護師または主治医にお伝えください。起きあがるとひどくなるために、しばらくの間はベッドで安静となります。しかし、ほとんどの場合は特別の処置をしなくても1週間以内に頭痛は治ります。カフェインや水分を多くとったりすることで症状が和らぐことがあります。また、鎮痛薬も効果があります。
稀に、硬膜外カテーテルが入っているのに、全身麻酔後に激痛を感じることがあります。さらに、十数時間たっても足が全く動かないことがあります。このような時は、速やかに看護師や主治医に相談してください。

 

C) 小さなお子さんの麻酔

お子さんが麻酔を受ける場合、お子さんの状態やご家族の状態を麻酔科医が病室にお伺いしてお聞きいたします。ご協力お願いいたします。麻酔方法は、ほとんどが麻酔ガスによる全身麻酔となります。酸素マスクを顔に当てて、酸素に麻酔ガスを混入することで、全身麻酔を開始します。この時、お子さんに深呼吸をしてもらいます。麻酔がかかってから点滴を行います。不安の強いお子さんの場合、酸素マスクを嫌がったり暴れてしまったりすることがあります。このような場合、ご両親の付き添いが不安を軽減させます。手術室へのご両親の同伴をご希望の方は、麻酔科医が病室にお伺いした時にお知らせください。同伴される場合は、お子さんが麻酔で眠るまで手術室にいていただきます。

私たち麻酔科医は、全身麻酔や区域麻酔の時に、患者さんの近くにいて手術の様子や患者さんの状態を直接の観察とモニターで把握し、麻酔薬の調節や循環・呼吸等の調節を続けます。モニターは、心電図・血圧計・パルスオキシメーター・呼吸二酸化炭素計を基本とし、必要に応じ、筋弛緩モニター※1脳波モニター(BIS)※2観血的動脈圧測定※3中心静脈圧測定※4肺動脈圧測定※5心拍出量測定※6経食道心エコー※7を用います。
出血やアレルギー反応など全身状態が変化した場合には、適切な治療をすることもあります。そして、手術が終わり麻酔から目覚める時には、安全かつ安定した状態にします。

 

3.麻酔を受ける時の一般的な注意

手術室に入る前には、指輪やイヤリング・ピアス、ネックレスなどの装飾品やコンタクトレンズ、入れ歯など、体からとり外せるものを外していただきます。また、化粧やマニキュアも、正確なモニターが出来ないために行わないでください。原則として、髭は剃ってください。どうしても髭を剃りたくない場合は、前もって麻酔科医にご相談ください。食事や飲み物の摂取制限もあります。安全に麻酔を行うためのものですので、是非、指示をお守りください。たばこをお吸いの方は、手術の後に咳や痰が多くなり、肺炎を起こしやすくなります。手術が決まりましたら、すぐに禁煙をしてください。

 

4.術後の鎮痛方法

地域病院および診療所・クリニック

手術後の痛みを和らげるために、点滴から鎮痛薬を投与するIVPCA(アイ・ブイ・ピー・シー・エイ)(写真左)や硬膜外麻酔を術後にも続ける持続硬膜外ブロック(写真右)があります。携帯ポンプから持続的に鎮痛薬を投与するものです。

 

IVPCA とは、患者さん自身で痛み止めを調節するシステムです。写真の左側の容器の中には痛み止めが入っています。
その痛み止めは、点滴のように静脈から持続投与されています。それでも痛い時は、写真のように水色のボタンを患者さん自身で押してください。痛み止めが少しだけ追加投与されます。 誤って続けてボタンを押しても、安全装置により、必要以上には薬液は投与されません。

 

地域病院および診療所・クリニック

地域病院および診療所・クリニック持続硬膜外ブロックです。この写真の人が持っているポンプの中に痛み止めが入ります。この痛み止めの液体は、細い管を通して脊椎の硬膜外腔に持続投与されます。

 


5.安全への取り組み

当手術室では、2010年より世界保健機関(WHO)の「手術の安全に関するチェックリスト」)を導入しています。これは、患者さんが手術室に来る前から開始され、1準備終了段階、2麻酔開始直前、3手術開始直前、4手術終了時に、患者さんに関する情報や準備の確認、施行された手術と術後に予想される問題をスタッフ全員で確認するものです。より安全で確実な手術医療の提供のために、簡素化することなくもとのチェックリストを改良して運用しています。また、麻酔準備においては、日本麻酔科学会による推奨される始業点検)に加え、アメリカ麻酔学会による始業点検)による確認を行うことで、より確実な準備を保障します。
毎日、麻酔科責任者がその日の麻酔科依頼症例を監督し、手術室内の医療が安全に施行されるように配慮いたします。このように、我々手術室のスタッフは外科医や手術室の看護師と協力して、患者さんにより安全で確実な手術医療を提供いたします。

6.おわりに

手術や麻酔を受けるということは精神的に負担となります。我々麻酔科医は、通常、手術前日に病室の方へお伺いしますので、心配なことやご不明な点は、お気軽にお聞きください。

7. For English-Speaking Patients

We have the document of Information on Anesthesia, Health Information to be filled, and Anesthesia Consent form. Please see the following documents. If there is something you don’t understand or is not clear, please do not hesitate to ask us.

Your corporation is highly appreciated. Doctor Patient confidentiality is strictly protected.

8.参考文献

  • Safe Surgery Saves Lives by World Alliance for Patient Safety.
    The Second Global Patient Safety Challenge (WHO)http://www.who.int/patientsafety/safesurgery/en/
  • 麻酔器の始業点検:日本麻酔科学会(2003) 日本麻酔科学会HP
  • Recommendations for Pre-Anesthesia Checkout Procedures (2008) (ASA HP) Sub-Committee of ASA Committee on Equipment and Facilities

9.補足説明

  • ※1 手術中に痛みや反射により体が動くことを防ぐために、筋弛緩薬を使用します。
       その効き具合を調べるものです。
  • ※2 麻酔深度を測るための脳波モニターです。額に4か所の脳波電極を貼ります。
       麻酔後に一時的に後が残りますが、すぐに治ります。
  • ※3 多くの場合は、手首の動脈にカテーテルを挿入し、連続的に血圧を測定します。
       また、そこから採血をして、その時の患者さんの状態を把握します。
  • ※4 通常、頸部または鎖骨の近傍からカテーテルを挿入します。比較的大きな手術を
       受ける患者さんや状態の不安定な患者さんに行います。血圧や血液循環を改善さ
       せる薬剤を持続的に投与したり、全身の血液量を推測するために圧を測定します。
  • ※5 通常、頸部からカテーテルを挿入します。主に心臓手術の時に行います。
  • ※6 肺動脈カテーテルや観血的動脈圧測定用カテーテルを用いて測定します。
       比較的大きな手術を受ける患者さんや状態の不安定な患者さんに行います。
  • ※7 食道に超音波プローベを挿入し、心臓などの超音波画像を連続的に見ます。
       主に心臓手術の時に行います。

10.もっと知りたい方へ

公益社団法人日本麻酔科学会は、インターネットを通じて麻酔を受けられる方に対して説明を行っております。是非、ご参考にしてください。

担当医師
寺嶋 克幸
部長,手術センター部長
寺嶋 克幸
てらじま かつゆき
学会認定
日本麻酔科学会指導医
日本麻酔科学会専門医
日本ペインクリニック学会専門医
日本集中治療医学会専門医
日本心臓血管麻酔学会専門医
専門分野
医療安全学
周術期管理医学

横塚 基
科長
横塚 基
よこづか もとい
学会認定
日本麻酔科学会指導医
日本麻酔科学会専門医
日本心臓血管麻酔学会専門医
専門分野
心臓麻酔(重症弁膜症・大血管)
人工心肺・体外循環技術

春木 えりか
医長
春木 えりか
はるき えりか
学会認定
日本麻酔科学会指導医
日本麻酔科学会専門医
日本心臓血管麻酔学会専門医
専門分野
周術期管理医学
心臓麻酔(小児先天性心疾患)
成人先天性心疾患

阿久津 麗香
医長
阿久津 麗香
あくつ れいか
学会認定
日本麻酔科学会指導医
日本麻酔科学会専門医
日本小児麻酔学会認定医
専門分野
小児麻酔
小児鎮静

坪光 祥晃
医長
坪光 祥晃
つぼこう よしあき
学会認定
日本麻酔科学会指導医
日本麻酔科学会専門医
日本集中治療医学会専門医
日本心臓血管麻酔学会専門医
専門分野
集中治療(急性重症呼吸不全・心臓周術期管理)
心臓麻酔

寺田 てる美
医員
寺田 てる美
てらだ てるみ
医員
黒田 瑞江
くろだ みずえ
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