まず私どもが手術、外来、病棟業務など日常の診療全般を通じて大切にしていることを述べさせていただきます。
それはひとことで言えば、患者さん本位の診療と言う点につきます。そのために私たちに何が求められているか。
それはやさしさとプロフェッショナリズムであると考えます。
やさしさとは日常の診療において常に患者さんの視点に立つこと、自分の家族ならどうするかと考えることだと思います。
プロフェッショナリズムとは患者さんに貢献しうる特殊な技能です。われわれ心臓血管外科医はそれを、適応・術式の厳密な術前検討、安全で質の高い手術、徹底的な術前術後管理によって達成すべきと考えます。
手術の目的は、手術を受けていただいた患者さんが健康で有意義な生活を取り戻していただくことです。どんなに難しい手術が成功しても、患者さんが日常生活もできないほど体力を消耗してしまっては意味がありません。どれほど心臓の異常がきれいに修復されても重大な合併症のために苦しむのでは手術の価値はなくなってしまいます。よりよい手術のためには患者さんをトータルに捉える視点と安全確実な手技が大事と考えています。