体にやさしい大動脈瘤の治療法として最近注目されているのがステントグラフト内挿術です。「ステントグラフト」とはバネの付いた人工血管のことで、細く折りたたむことが可能です。これをカテーテルと呼ばれるストロー状の管の中に入れ、太ももの付け根から動脈瘤の部分に移動させます。血管の中でステントグラフトが広がることにより大動脈瘤には血液が流れなくなり、大動脈瘤が破れるのを予防できます。
欧米ではこの治療法が急速に普及しておりますが、日本では企業製造のステントグラフトが最近まで保険の対象となっておらず、ごく一部の施設で行われているにすぎませんでした。しかし2007年になって腹部大動脈用の企業製造ステントグラフトが保険の承認をうけ、より良い製品での治療が行えるようになりました。(図2)
三井記念病院はステントグラフト内挿術を行うことのできる実施施設として学会認定を受けております。(図3)
この治療法は太ももの付け根に小さな傷を入れるだけなので、局所麻酔で行うことも可能です。全身への負担が少なく、高齢者や多くの持病がある方に適した方法と言えます。しかし、誰に対しても行えるというわけではなく、動脈瘤の位置や太さ、血管の曲がり具合によりステントグラフト内挿術ができない場合もありますので専門の医師とよく相談してください。