病理診断は、大きく分けると4つがあります。
(1)組織診断(生検診断、手術検体の診断) (2)細胞診断 (3)病理解剖診断 (4)電子顕微鏡診断
【1】組織診断
a. 生検診断
患者さんの病気がどのようなものであるかを確実にするために、体の一部から小さな組織をつまみとったり、小さく切りとったりして採取し、病理医が顕微鏡で観察して診断をするものです。たとえば胃の内視鏡検査を行って病変が見つかったとき、「それが胃潰瘍なのか?」「胃がんなのか?」を決定するために、胃の壁から1-2mmの組織をとって調べるのが生検です。
b. 手術検体の組織診断

胃のがん細胞(組織診断の標本)
病理医が生検で がんと診断すると、患者さんと主治医との間で話し合いが行われ治療法が選択されます。手術による治療が選択されたときには、胃や肺などの臓器が切除されます。手術によってとられた臓器に、どのような質の病変が(たちの良いものか、たちの悪いものかなど)、どこにあり、どれだけの大きさになっていたのかなどを、詳しく調べた後に診断がつけられ、主治医に報告されます。これが手術検体の組織診断です。この診断によって、完全に治ったのか、あるいはさらに治療が必要であるのかが分かり、次の治療法を選択するうえでの重要な手がかりとなります。三井記念病院には、多くの乳がん患者さんが受診していますが、乳がんに対してどのような薬が働きやすいかを調べるのも、病理組織学的に行われます。これらの組織診断は、がんに対してのみ行われるものではなく、炎症を含めさまざまな病気の確定にも用いられます。
【2】細胞診断

乳腺のがん細胞(細胞診断の標本)
乳腺のがん細胞(細胞診断の標本)
膀胱がんや肺がんでは、尿や喀痰などの液体状の検体を顕微鏡で調べると、がん細胞が見られることがあります。尿や喀痰は、痛みを伴わない方法で採取されますので、繰り返し検査することが可能です。このような検体について、悪性の細胞があるかどうかを調べるのが細胞診断の目的の一つです。子宮がんが疑われるときには、子宮の一部から細胞をこすりとって細胞診断が行われます。また、甲状腺や乳房にしこりが認められたときには、細い針を刺してしこりを作っている細胞をとって調べることがあります。
【3】病理解剖診断
不幸にして病院でお亡くなりになった患者さんに対して、解剖が行われることがあります。病理医が行うこの解剖によって、生前の診断は正しかったのか?どのくらい病気が進行していたのか?適切な治療がなされていたのか?死因は何だったのか?といったことが明らかにされます。この最後の診断が病理解剖診断です。
【4】電子顕微鏡診断
患者さんから得られた検体を、電子顕微鏡を用いて観察し、診断するものです。ある種の腫瘍や腎臓の病気の中には、この電子顕微鏡でしか診断ができないものがあります。当病理診断科では、年間約80例の電子顕微鏡診断が行われています。