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お知らせ
概要特色

消化器内科は、消化管、肝臓、胆道・膵臓などの広い領域で、患者さん・地域のドクターからのニードの多い消化器疾患の診療を高いレベルで実現することをミッションと考えています。特に、ESD年間45例、無痛ラジオ波治療年間240例など、消化器腫瘍の新しい低侵襲治療に力を入れています。

肝がんについて

肝がんは、外科的手術、無痛ラジオ波焼灼療法で対応できる初期の状態から、肝動脈塞栓術、肝動注療法、抗がん剤治療(ソラフェニブなど)、放射線療法等が必要となる進行期の状態があります。三井記念病院では、無痛ラジオ波焼灼療法に限らず肝がんのいずれのステージにおいても、病期にあわせた最適な治療を行うことが可能です。もちろんご希望があれば、他施設からのセカンドオピニオンも快くお受けいたします。

無痛ラジオ波と無痛ラジオ波焼灼療法のイメージ画像

 

肝がんにおける無痛ラジオ波焼灼療法(無痛ラジオ波・無痛RFA)

日本において肝がんは、肺がん、胃がん、大腸がんについで4番目に多いがんです。その80%はウイルス性の慢性肝炎、肝硬変から発生すると報告されています。肝がんの治療は手術が第一選択となりますが、肝がんの広がりや残存肝機能の影響で、発見時に手術を受けることのできる患者さんは、全体の約3割と言われています。また、手術を受けることができても、5年以内に70-80%の患者さんで肝がんが再発します。そのため手術以外の効果的な治療法として、無痛ラジオ波焼灼療法が注目されています。近年、転移性肝がんの治療にも応用され、良好な成績が報告されるようになってきました。

無痛ラジオ波焼灼療法は、お腹を「切らず」にがんを治す画期的な治療法です。超音波で腫瘍を検出し、その場所にボールペンの芯ほどの細さの電極針を穿刺します。そして、穿刺した電極針に高周波を流し、熱により腫瘍を死滅させます。一般的には、軽い鎮静下で局所麻酔を用いて実施されますので、患者さんは意識のある状態で治療を受けることになります。これには理由があります。それは電極針を挿入する際に、患者さんに呼吸をとめていただく必要があるからです。

三井記念病院では、患者さんの苦痛を軽減するため、点滴より鎮痛剤であるペンタゾシンと鎮静剤であるミダゾラムを併用しています。一般的に広く使用されている薬剤ですが、その投与方法を工夫することにより、ほとんどの患者さんで、痛みを感じることのない治療を可能としています。2010年4月から2015年12月までにラジオ波焼灼療法を延べ約1500例の患者さんに対して施行し、ほぼ100%の方が、「痛みが全く無かった。」もしくは「全く覚えていない。」と回答しています。もちろんラジオ波焼灼療法中は、患者さんは眠った状態になり、呼吸を止めるといった指示動作は行えなくなりますが、豊富な治療経験に基づき、息を止めなくても安全に電極針を腫瘍に挿入できる技術があります。完全に意識が無くなり、痛みとも100%無縁になる全身麻酔という方法もありますが、そのような時間のかかる大掛かりな麻酔方法には、心肺機能の事前チェックが必須であり、年間200~270例のラジオ波焼灼療法を行う三井記念病院では、多くの患者さんを治療する上で現実的に導入が難しい面があります。また、肝がん自体が再発しやすいがんであり、生涯にわたり繰り返し治療する必要があることを考慮しますと、迅速に、安全に、効果的に治療を遂行することは、患者さん、医療スタッフ双方にとっても重要なことと考えております。

三井記念病院における肝がんに対する無痛ラジオ波焼灼療法の特徴

  • ほとんどの患者さんで無痛状態を実現します。
  • 出血のリスクが高いと言われる、透析患者さんに対しても積極的に治療を行っています。
  • 肝臓内であれば、腫瘍の局在を問いません。他臓器、脈管近傍でも治療可能です。
  • 転移性肝がんの場合は、腫瘍径、腫瘍数に制限なく行います。(全身状態に実施不可能な場合もあります。)  
     

無痛ラジオ波焼灼療法(無痛ラジオ波・無痛RFA)
局所麻酔と点滴からの鎮痛・鎮静剤の注入で、ほぼ100%の患者さんで無痛状態を実現します。全身麻酔ではありませんので、体にかかる負担も最小限です。

「透析患者さんに対する無痛ラジオ波焼灼療法」
血液透析をされている患者さんは、一般的に術後の出血リスクが高いと言われています。また、血液透析は腎臓内科を中心に行われている手技のため、大きな病院でも各科同士の連携の問題のため、入院までに時間調整を要することがあります。当院では、透析患者さんにおきましても、積極的に無痛ラジオ波焼灼療法を行っております。血液透析を行ってくださる腎臓内科の先生方と密接な連携を保っていますので、スムーズに入院していただき治療を受けていただくことが可能です。2000年2月から2011年12月までに、延べ67例の維持透析中の肝がん患者さんに無痛ラジオ波焼灼療法を実施していますが、合併症は1例(1.49%)に皮膚熱傷を認めたのみで、3年生存率は84.7%、5年生存率は78.2%と、その予後は極めて良好です。   
 

無痛ラジオ波焼灼療法の適応・・・肝細胞がんに関して

肝がんには原発性肝がん(主には肝細胞がん)と転移性肝がんの2種類があります。日本の学会では2 cm以下の肝細胞がんであれば外科的手術も無痛ラジオ波焼灼療法も長期成績に変わりなく、どちらを選んでも良いとされています。肝細胞がんに対する無痛ラジオ波焼灼療法の適応は腫瘍の長径3センチ、3個以内が一般的ですが、三井記念病院では肝機能が良ければこの条件を超えていても無痛ラジオ波焼灼療法を行っています。

無痛ラジオ波焼灼療法の適応・・・転移性肝がんに関して

転移性肝がんとは、肝臓以外の臓器にできたがん(原発巣)が肝臓に転移したものを指します。ほぼすべてのがん種において、肝臓へ転移する可能性がありますが、実際には消化器系のがん(大腸がん、胃がん、膵がん、胆のうがんなど、)乳がん、肺がん、喉頭部がん、婦人科系のがん、腎がんなどが肝臓への転移を認めることが多いと報告されています。当院ではそのような転移性肝がんについても、積極的に無痛ラジオ波治療を行っています。転移性肝がんは肝硬変を合併していないため、より大きな、そして、たくさんの腫瘍を焼灼することが可能です。従いまして、基本的に転移性肝がんのラジオ波焼灼療法に関しては、腫瘍径、腫瘍数による制限を設けていません。しかし、転移性肝がんに対する無痛ラジオ波焼灼療法はまだ歴史が浅く、外科的手術、抗がん剤治療、無痛ラジオ波焼灼療法のいずれが最良なのか結論がでておりません。転移性肝がんの治療に関しては、無痛ラジオ波焼灼療法のみに固執せず、必要とあれば、カテーテル治療(肝動脈塞栓術・肝動注療法)、抗がん剤治療、放射線治療等をうまく組み合わせて、患者さんがより元気に長生きできるよう努めております。特に大腸がん、乳がんが原発の転移性肝がんの患者さんは、肝内病変が予後を規定する可能性があり、かつ標準的治療をすべて終了されている進行期においても、無痛ラジオ波焼灼療法とカテーテル治療をうまく組み合わせることで、長期生存が得られる場合があります。最大径は15cm超、最大腫瘍数は20個超であっても、肝内の腫瘍量減退が予後延長に結びつくと予想される場合は、積極的に集学的治療の一環として、無痛ラジオ波焼灼療法をおこなっています。 

治療困難部位へのRFA

  • IVC脇ドーム下
    ドーム下、IVC脇、心臓脇の病変。人工胸水無し、体位変換のみでRFAを施行。再発なし。

IVC脇ドーム下

  • S1尾状葉
    S1尾状葉の病変。左葉外側からのアプローチでRFAを施行。再発なし。

S1尾状葉

転移性肝がんに対するRFA

篩⾻洞がんの肝転移。標準治療が無く、最⼤径13cm、腫瘍数6個の肝転移に対してRFAを施⾏。
すべての結節をRFA後、アジュバントとして肝動注療法(new FP変法)を導⼊した。

転移性肝がんに対するRFA

 

病変の広がりがあるため、無痛ラジオ波治療が困難である場合

放射線科の先生方のご協力により、転移性肝がんに対してカテーテル治療も行っています。カテーテルとは、中が中空となっている細い管のことを指し、これを大腿動脈という脚の血管から局所麻酔下に動脈内に挿入します。動脈内に挿入されたカテーテルは、術者の操作により肝臓の血管まで到達します。そこで、造影剤を注入し、腫瘍に栄養を与えている血管を同定します。その血管から、抗がん剤を含侵したDCビーズという塞栓物質を注入します。腫瘍に対して、言わば「毒を流して、兵糧攻めにする」という治療です。ラジオ波焼灼療法のような速効性はありませんが、多くの病変を一度に加療できるというメリットがあります。

転移性肝がんに対するカテーテル治療

乳がんの肝転移。容積の3/4を占め、肝不全の一歩手前であった。
5-FU及びドセタキセルを2週間おきに交互に動注。3クール後のCTでは、著名に縮小している。

転移性肝がんに対する肝動注療法

術者と無痛ラジオ波焼灼療法の特性 

三井記念病院におけるラジオ波治療は大木医師が担当いたします。大木医師はこれまで、無痛ラジオ波治療件数延べ約2500件(2016年1月現在)、最大15cm、腫瘍個数では20個超までの転移性肝がんを無痛ラジオ波焼灼療法で治療した経験があります。ラジオ波焼灼療法にはいくつか苦手とする部分があります。ひとつは、超音波を用いて行いますので、超音波で描出できない腫瘍の治療が困難であること。もう一つは、熱で焼灼しますので、標的腫瘍が他臓器(心臓、胆のう、腸管)と隣接すると治療が困難であることです。前者に対しては、造影超音波という最新の超音波を用いて対応し、それでも描出困難な場合は、腫瘍の場所を肝臓内の血管等の位置から推察し治療を行っています。また、後者に関しては、人工胸水、人工腹水を用いて安全にラジオ波焼灼療法を行う努力を行っています。これまで治療を行った症例の中には、腫瘍が心臓と接する症例、腸管と接する症例、胆のうと接する症例、血管と接する症例、肺の直下にある症例、肝門部(肝 臓の中心部分)にある症例が含まれています。入院期間が想定よりも延長してしまうような大きな偶発症の発生率は約0.5%であり、その中で一番多いものは輸血を要する出血となっています。当院におけるラジオ波治療の症例数は国内有数であり、その実力は日本全国で5位となっております。(2014年件数)また、ラジオ波治療の症例数を術者一人当たりで換算した場合、その実力は全国で1位となっています*。
*引用として「週刊朝日MOOK 手術でわかるいい病院2016」より。

医療従事者のみなさまへ

当院では転移性肝がんに対して、積極的にラジオ波焼灼療法、カテーテル治療を行っています。いずれも強固なエビデンスに欠ける治療であることは十分に認識しております。転移性肝がんは、転移である以上、全身の疾患であり、各がん種に応じた化学療法が治療の根幹であると考えます。また一部のがん種によっては、外科的な手術が推奨される場合もあります。私たちがこのような治療を行っているのは、標準治療で選択できるものが無くなってしまった、様々な背景により標準治療を受けることができない、そのような患者さんに少しでも元気で長生きできる時間を作るお手伝いができればと思っているからです。転移性肝がんに対するラジオ波焼灼療法は、当院の倫理委員会で正式に承認されており、RAFAEL studyとしてUMINに登録されております(UMIN000020250)。また、転移性肝がんに対するカテーテル治療に関しても、当院の倫理委員会で正式に承認されており、PARVATI studyとしてUMINに登録されております(UMIN000020832)。これまでの経験は、随時学会・論文等の科学的形式で公表してまいりたいと思います。

臨床研究について

消化器内科では患者さんの治療だけでなく、学会発表や論文発表にも力を入れており ます。
臨床研究を通じて、更なる医療の発展、質の向上を目指してまいります。

 

 

主な対象疾患
  • 肝臓がん(無痛ラジオ波焼灼療法)
  • 肝硬変
  • 大腸ポリープ
  • 胃がん
  • 総胆管結石
  • 膵臓がん
  • 消化管出血
  • 大腸がん
  • 胃潰瘍
  • 胆管がん
  • その他、消化器レントゲン検査(胃・大腸)、消化管内視鏡検査、ラジオ波焼灼療法も多数行っています。
  • 手術・検査・処置名 予定入院日数 説明
    経皮的ラジオ波焼灼術(RFA) 5日 ラジオ波焼灼治療(Radiofreequency Ablation:RFA)はラジオ波により発生す る高熱により病変部を凝固壊死させる治療法です。
    経皮的肝動脈塞栓術(TAE) 5日 肝動脈塞栓術とは、がんに栄養を供給している血管を人工的にふさぎ、がんを壊死 させる治療法です。
    胃癌の内視鏡的粘膜下層剥離術 6日 早期胃癌・早期大腸癌に対して行われる手術です。お腹を切らずに内視鏡により癌 を切除します。身体に負担の少ない治療方法です。 大腸の内視鏡的粘膜下層切除術3日※内視鏡的治療の適応については医師にご相談ください。
    大腸の内視鏡的粘膜下層切除術 3日

    ※上記はクリニカルパスを使用しています。
     その他、CF(大腸内視鏡検査)・ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)・肝生検・PEG造設なども行っています。

     

担当 医師
田川 一海
特別顧問
田川 一海
たがわ かずみ
学会認定
日本消化器病学会消化器病専門医
日本肝臓学会肝臓専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
日本超音波医学会超音波専門医
専門分野
消化器病全般、慢性肝炎、肝硬変、肝癌の診断と治療、食道静脈瘤の内視鏡的治療

戸田 信夫
部長(消化器内科,内視鏡部)
戸田 信夫
とだ のぶお
専門分野
各種消化器悪性腫瘍の診断治療、上部下部消化管内視鏡検査、胆道膵疾患の内視鏡治療、腹部画像診断

関 道治
科長
関 道治
せき みちはる
専門分野
食道・胃・大腸など消化管疾患、特に消化管早期癌のESD(粘膜下層剥離術)による治療に力を入れている。

大木 隆正
科長
大木 隆正
おおき たかまさ
学会認定
日本肝臓学会肝臓専門医
専門分野
肝癌治療、ラジオ波

小島 健太郎
医長
小島 健太郎
こじま けんたろう
学会認定
日本消化器病学会消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
日本内科学会総合内科専門医
専門分野
消化器疾患全般(特に消化管領域)、上下部消化管内視鏡検査、早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、小腸カプセル内視鏡検査、消化管進行癌に対する集学的治療

医員
近藤 真由子
こんどう まゆこ
学会認定
日本消化器病学会消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
日本肝臓学会肝臓専門医
医員
髙木 馨
たかぎ かおる
実績

手術件数(2016年度) 7,443例
上部消化管内視鏡 3,513例
下部消化管内視鏡 2,806例
超音波内視鏡 137例
ERCP 288例
EST 98例
ESD 77例
消化管ステント 15例
胆道ステント 15例
内視鏡的消化管止血 97例
内視鏡下イレウス管挿入 14例
胃瘻増設 16例
カプセル内視鏡 35例
ラジオ波 221例
TAE 111例
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