【図1:心臓内部の様子】
僧帽弁閉鎖不全と心不全
心臓は全身に血液を送り出すポンプとして働く臓器で中には4つの部屋があります(図1)。上側の二つを左心房、右心房と呼び、下側の二つを左心室、右心室と呼びます。
この4つの部屋がリズミカルに拍動を繰り返すことで、心臓は効率的に血液を送り出すことができます。肺から酸素化された血液は左心房に送られ、左心房と左心室の間にある僧帽弁を通って左心室に送られます。左心室は心臓のポンプとして働き、左心室から駆出された血液は大動脈弁を通って大動脈から全身に送られます。
僧帽弁閉鎖不全症は、様々な原因により僧帽弁が完全に閉じなくなり、左心室が収縮した際に血液が左心室から左心房に逆流してしまう病気です(図2)。重症の僧帽弁閉鎖不全になると息切れやむくみなどの心不全症状が出現し、命に関わることがあります。
【図2:僧帽弁閉鎖不全症の原因】