卵巣嚢腫と子宮内膜症の治療
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卵巣嚢腫・子宮内膜症とは
婦人科において卵巣が袋のように腫れる病気のうち、良性のものを卵巣嚢腫(嚢胞)と言います。卵巣嚢腫(嚢胞)には、さまざまな種類のものがあります。卵巣子宮内膜症性嚢胞は別名チョコレート嚢腫ともいいますが、子宮内膜症という病気の一部としてあらわれることが多く、卵巣以外の部分にも病巣があり、しばしば、不妊症、月経困難症、慢性骨盤痛、性交痛など多彩な症状を伴います。一方、子宮内膜症以外の卵巣嚢腫は、通常、病巣は卵巣に限局しており、かなり大きくなるまで一般に症状は乏しいです。
主な治療法
癒着のない卵巣嚢腫の場合、茎捻転(卵巣嚢腫が回転して付け根の部分がねじれてしまい、卵巣への血液の供給が途絶えること)や破裂のリスクがあるため、5~6cmをこえるサイズでは手術がすすめられます。
手術治療
卵巣嚢腫摘出術 | 卵巣嚢腫のみ摘出し、正常卵巣実質を温存する術式です。 |
付属器切除術 | 卵巣嚢腫のある卵巣と卵管ごと摘出する方法です。 |
薬物治療
子宮内膜症ではホルモン剤(低用量エストロゲンプロゲスチン配合薬、ジェノゲストなど)を用いて、月経痛などの症状の改善が期待できます。その他の卵巣腫瘍は薬物治療では改善しません。