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単孔式腹腔鏡手術のご紹介


大腸がんに対する単孔式腹腔鏡手術

当科では、結腸癌、直腸癌に対して最先端の単孔式腹腔鏡手術を行っています。腹腔鏡手術よりさらに低侵襲(腹壁のダメージが少ない)とされており、整容性(見た目の美しさ)においても患者さんの満足度が高い手術です。術後の傷跡は、臍(へそ)の一か所だけでほとんど目立たなくなります。

単孔式腹腔鏡手術とは

ひとつの孔(きず)を腹部に開けて行う手術の方法です。具体的には、臍(へそ)部を4‐6cm程度切開して手術します。通常の腹腔鏡手術では5か所の小さな傷を使って手術をしますが、単孔式の手術では傷は原則一つだけです。この手技は非常に高度な技術を必要としますが、当科には単孔式手術のエキスパートが在籍しており、安全に提供しています。

通常の腹腔鏡手術

単孔式腹腔鏡下大腸切除術

どこを切ったのか?どこから取り出したのか?

「本当に手術したの?全然わからない」とお話しされる患者さんもおられます。お臍(へそ)から取り出します。

どこから手術するのか?

お臍(へそ)から、剥離(はくり)、授動(じゅどう)、リンパ節郭清(かくせい)のすべてを行い、体外又は体内で再建(腸管をつなぎ合わせる)を行っています。

お臍(へそ)はどうなるのか?

最終的に皮膚縫合して閉じます。傷跡はお臍(へそ)の中に隠れ、目立たなくなります。一部で“でべそ”やへそ曲がりになる場合もありますが、これは通常の腹腔鏡手術でも同様です。

入院期間は?

通常は術前日に入院していただき、その翌日に手術をします。術後5日以降で退院となります。

単孔式腹腔鏡手術のメリットとデメリットは?

メリット
傷が一か所で目立たない美容的整容性。また腹壁の破壊(皮膚の穴の数や、腹筋の損傷)が少ないので痛みが軽減されたとの報告も多いです。手術時間、出血ともに通常の腹腔鏡手術と同等または短い報告があります。結果、入院期間が短くなります。健康保険は適用されています。

デメリット
高度な技術が必要となります。

実績(経験症例数)は?

大腸癌に対する単孔式腹腔鏡手術は100件以上の経験を有します。安全に提供可能な体制を整えています。

手術時間は?

これまでの経験で結腸癌は約1時間半(87分)でS状結腸から直腸部では約2時間(128分)と、通常の腹腔鏡手術と変わりません。

なぜ同じ時間または短くなるのか?

通常の腹腔鏡手術を定型化した後、徐々に無駄な操作、傷の数を減らしてきました。
  1. トロッカー(傷と筒)の削減による挿入・抜去操作の省略
  2. 助手操作の省略
  3. 小開腹先行による創延長・仮閉腹操作の省略
これまでの手術を解析したところ上記のような理由が得られました。

手術中にトラブルはないのか?

入念に準備したうえで臨んでいます。予期しない場合は、傷を増やして(通常の腹腔鏡手術として)対応することで安全に遂行が可能です。最終手段としては開腹手術(切腹)へ移行し対処することも可能です。

単孔式腹腔鏡手術の適応は?

適応は、早期大腸がんから進行大腸がんまで対応していますのでご相談ください。また大腸がん以外の手術(鼠径ヘルニア、虫垂炎、直腸脱など)にも対応しています。
一方で適応外は以下になります。
通常の腹腔鏡手術の適応外:高度な癒着のある方、減圧不能な腸閉塞、緊急手術
単孔式腹腔鏡手術の適応外:更に、複数回の開腹既往、BMI30kg/㎡以上の高度肥満、肛門に近い直腸癌、他臓器へ浸潤している大腸癌

単孔式の良い適応

若年、女性、小さい傷を望む方、内視鏡治療後の追加切除症例
急性虫垂炎、鼡径ヘルニアにも対応しています