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ホーム > 診療科・部門紹介 > 診療科・診療センター > 膠原病リウマチ内科

膠原病リウマチ内科



概要特色

当科は千代田区、台東区、江戸川区、葛飾区、足立区などをはじめとする東京都の東部地域のみならず、千葉、埼玉、茨城などの近隣の県からも多くの患者さんを積極的に受け入れています。膠原病は診断から治療、合併症の管理、精神的なケアに至るまですべての場面で、他の専門科との緊密な連携が求められます。当院には多くの専門科、専門医がそろっており、その時々で関連する専門科の医師と共同して患者さんに対応しています。
また、2019年度から診療体制を強化し、初診の患者さんを毎日診察する体制となりました。日本リウマチ財団登録リウマチケア看護師、登録薬剤師らとともに外来・入院診療を行っております。

受診の仕方

当院は「紹介予約制」です。紹介状をご準備いただき、予約センター(0120-86-3212 受付時間 月曜日~金曜日:8:30~17:00、土曜日:8:30~12:30)にご連絡のうえ、予約をお取りください。
毎週月曜日から金曜日まで膠原病リウマチ内科外来を開いており、初診についても月曜日から金曜日に診察を行っております。
外来診療表はこちら

《紹介状をお持ちでなく、予約なしで当日受診を希望される方へ》
詳細はコチラをご覧ください。

《他医療機関からのご紹介の場合》
地域連携室 03-3864-7900(直通) に電話をいただければ速やかに対応させていただきます。
受付時間 月曜日~金曜日:8:30~17:00 土曜日:8:30~12:30

1.不明熱や関節痛

総合内科、膠原病リウマチ内科
合同カンファレンスの様子

当科は総合内科医師との共同診療体制(外来・入院を含む)を整えています。原因が分からない発熱が長く続いていたり、血液検査で炎症反応陽性が続いているような場合、なかなか改善しない関節の痛みがある場合には当科と総合内科合同で対応いたします。
総合内科についてはこちら

2.関節リウマチ

関節リウマチの診断、治療、合併症の管理には力を入れています。特に関節超音波を用いた早期診断、重症度の判定、治療効果の正確な判定、治療内容の検討には積極的に取り組んでいます。メトトレキサートや生物学的製剤をはじめとした最新の治療を適切な患者さんに適切な時期に用いていくことを心がけています。またリウマチ診療をしていくうえで避けることのできない合併症(間質性肺炎や気管支拡張症などの肺病変、感染症、薬剤による副作用など)の治療も行っています。
2022年外来通院患者数   1,335例
治療内容・治療実績
メトトレキサート使用者 509例
タクロリムス使用者 134例
生物学的製剤使用者 247例
JAK阻害剤使用者 51例

生物学的製剤使用者内訳

(1)DAS28 ESR

(2)HAQ

(1)DAS28 ESR
関節リウマチの病気の疾患活動性を評価する指標
寛解(病気の症状がほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態)を目指します。

(2)HAQ
日常生活における身体機能障害の度合い評価
食事動作、歩行動作など8項目の障害の程度をはかるアンケート。
  • 関節超音波検査による診断
当院は関節超音波検査に対応しており、4人の超音波技師と2人の医師により日常的に検査ができる体制を整えています。
2019年実施件数   542件

手関節の関節超音波写真(診断時)

関節超音波検査では各関節内の炎症を正確に診断することができます。
左は通常のパワードップラーシグナルを用いたもの。右はSMIという設定で撮影したもの。
SMI設定では、より詳細な評価が可能であると考えられています。
  • 生物学的製剤の使用
当院では自己注射の指導は、外来または入院で看護師、薬剤師が行っています。
また点滴製剤の場合は、専任のスタッフが常駐する化学療法室で実施しています。
特に高齢者に対して効率的に生物製剤自己注射の修得をしていただくためにクリニカルパスによる短期入院を積極的に行っております。

病棟での自己注射指導

化学療法室

点滴製剤の説明

生物学的製剤入院導入クリニカルパス (2泊3日)

  • 関節リウマチの手術
当院整形外科にて関節リウマチの人工膝関節・股関節置換術や手関節形成術、足趾形成術を行っています。また環軸亜脱臼の手術をはじめとしたリウマチ性脊椎病変の手術には特に力を入れております。整形的な手術が必要となった患者さんは気軽にご相談ください。
整形外科についてはこちら

術前

術後

  • 第一頚椎・第二頚椎の脱臼例。手術前後の写真。
コンピューターナビゲーションシステムを用いて、難易度の高い手術を安全に確実に行っています。


3.全身性エリテマトーデス

関節リウマチに引き続き、全身性エリテマトーデスもここ数年で治療方法がだいぶ進歩してきました。我々は免疫抑制剤を加えることで少しでもステロイドホルモン剤の投与量を減らすことを心がけています。たとえば活動性の高い腎臓病変に比較的安全に使用でき、しかも奏効率の高いタクロリムス(プログラフ®)やミコフェノール酸モフェチル(セルセプト®)、なかなか治りづらい皮疹や全身倦怠感の改善に効果があるとされるヒドロキシクロロキン(プラケニル®)も必要な患者さんに適切に使用して、良好な結果を納めています。

活動性の高い腎炎。複数の免疫抑制剤を併用して加療。免疫抑制剤を併用して加療、寛解を達成した。
2022年外来通院患者数   412例
治療実績
タクロリムス 49例
ミコフェノール酸モフェチル 64例
ヒドロキシクロロキン 78例
ベリムマブ 24例
サフネロー 2例
  • ヒドロキシクロロキン投与前と投与2カ月後の頭皮、首の病変の変化

投与前

2カ月後

4.シェーグレン症候群

口や目がかわいたり、関節の痛み、他の膠原病よりも一段強いだるさと疲れやすさ、微熱などのため日常生活に支障が出やすい病気です。症状が強く出ない限り病気という自覚がないことがあり、また診断がつきにくい病気であることから、複数の医療機関を受診され当科にたどり着いたという方も多くいらっしゃいます。唾液腺(耳・あごの下)・涙腺がはれたり、肺や消化管、腎臓、筋肉、神経、リンパ節などに病気が出ることもあり、定期的な診察が必要です。治療するには正確な診断とご病状の把握が重要です。当科では、患者さんに負担の少ない唾液腺エコーを、リウマチ科としては全国に先駆けて導入し、日常診療に役立てております。いくつかの指標を組み合わせてシェーグレン症候群を積極的に診断し、多角的に深くご病状を把握し、個々の状況に応じたきめ細かい治療を行っており、様々な全身の合併症にも対応しております。
下記もご参考になさって下さい。
【医療最前線:目と口が渇く膠原病の話】
  • シェーグレン症候群の眼

診断時

  • シェーグレン症候群の顎下腺エコー

診断時

治療後

  • シェーグレン症候群のMR sialography

診断時

5.血管炎症候群

全身の血管に炎症が起こる疾患の総称です。症状が多彩で診断が難しいことがしばしばあります。また腎臓や肺が悪くなり、治療内容の調整が難しいことや、外科治療を要することもあり、他分野の専門医と相談することが多い疾患群と言えます。
ほぼすべての患者さんでステロイドホルモン剤を使用して治療しますが、重症度に応じて免疫抑制剤(シクロホスファミド、アザチオプリン、リツキシマブなど)、血漿交換療法(血液中の液体成分を透析により交換すること)などを組み合わせ、より安全に、より早期に寛解(=病気の進行が止まること)に持ち込めるように努めています。

腎生検
⇒顕微鏡的多発血管炎

3DCT
⇒側頭動脈炎(右椎骨動脈ならびに右内頚動脈の閉塞)

6.関節症性乾癬や強直性脊椎炎などの脊椎関節症

関節リウマチで大きな効果を発揮している生物学的製剤は他の膠原病疾患にも応用されております。特に治療の難しい皮膚疾患である乾癬やそれに関節症状を伴った関節症性乾癬では、生物学的製剤が非常に有効です。当科では皮膚科と共同してこのような疾患の治療に必要であれば積極的に生物製剤を投与し、良好な成績をおさめております。

関節症性乾癬のために生物学的製剤導入。

1カ月後に皮膚症状は快復。

7.その他の膠原病疾患

膠原病疾患は多彩で診断のきっかけは様々です。各専門内科、眼科、耳鼻科、整形外科などを受診して当科に紹介となる患者さんも多くいらっしゃいます。
  • 爪郭の毛管顕微鏡検査 (Capillaroscopy)
レイノー症状(寒いところで、手先、足先が白⇒青⇒赤となる現象)は膠原病患者さんの代表的な症状です。本症状のある患者さんの場合、爪の付け根の毛細血管を観察することは、患者さんの全身の病態・病勢を予測することに役立ちます。

爪郭の毛細血管は患者さんの病態・病状により様々に変化します。
  • 心臓サルコイドーシスに対する検査

(1)FDG-PET※

(2)心臓MRI

⇒赤から黄色に染まっている箇所が炎症がみられる病変部分。MRIでも同様に鋭敏に異常を発見できる。
※FDG-PETは心臓サルコイドーシスに保険適応がありますが、当院では検査を行っていないため他院へ紹介の上、撮像しています。

8.痛風・偽痛風

痛風発作は30-50歳代の男性に好発します。痛風治療の一番の問題は、通院継続率の低さであり、治療が不完全なまま長期間、尿酸塩(痛風の原因)が体内に沈着することで心血管疾患の合併率が増加するといわれています。当科では発作を繰り返すような患者さんについて、関節超音波で尿酸塩沈着の程度を確認しながら治療内容を随時検討する試みを行っています。
  • 関節超音波検査による診断

<治療前> 尿酸値 10.3mg/dl

<1年後> 尿酸値 4.2mg/dl
⇒治療により尿酸塩消失。尿酸値も低下。 

9.膠原病関連の間質性肺炎全般

膠原病疾患では様々な肺病変を合併します。特に間質性肺炎は代表的な合併症で、時にその管理が何よりも優先されることがあります。我々は膠原病の肺病変全般についても非常に力を入れており、積極的に外来、入院診療を行っております。

皮膚筋炎による急速進行型間質性肺炎。
複数の免疫抑制剤を併用して寛解を達成した。

担当医師

部長

原田 広顕(はらだ ひろあき)

学会認定
日本内科学会認定総合内科専門医
日本アレルギー学会認定専門医・指導医

専門分野
膠原病全般、膠原病合併肺疾患

科長

大島 美穂(おおしま みほ)
学会認定
日本内科学会認定総合内科専門医
日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医・評議員
日本骨粗鬆症学会認定医
日本医師会認定産業医

専門分野
膠原病全般、関節リウマチ、シェーグレン症候群、唾液腺・関節超音波、骨粗鬆症

医長

鈴木 豪(すずき たけし)

学会認定
日本内科学会認定総合内科専門医
日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医

専門分野
膠原病全般、関節リウマチ、関節炎画像診断

医員

山地 実紗(やまじ みさ)

総合内科 科長

峯村 信嘉(みねむら のぶよし)

学会認定
日本内科学会認定総合内科専門医
日本リウマチ学会認定リウマチ専門医
日本老年医学会認定老年病専門医

専門分野
総合内科全般、総合内科感染症全般、膠原病全般

総合内科 医員

増田 卓也(ますだ たくや)
学会認定
日本内科学会内科専門医
日本リウマチ学会認定リウマチ専門医

専門分野
総合内科全般、膠原病全般

非常勤医師

土田 優美(つちだ ゆみ)

非常勤医師

澤田 崇幸(さわだ たかゆき)

実 績(2022年)

外来通院患者数

外来通院患者数 2,087例
関節リウマチ 1,335例
シェーグレン症候群 482例
全身性エリテマトーデス 412例
ANCA関連血管炎
174例
大血管炎 48例
皮膚筋炎・多発性筋炎 127例
強皮症 121例
混合性結合組織病 31例
乾癬・関節症性乾癬 70例
強直性脊椎炎 50例
脊椎関節炎 54例
サルコイドーシス 72例
IgG4関連疾患 53例

入院患者数

入院患者数 325例
関節リウマチ 245例
シェーグレン症候群 51例
全身性エリテマトーデス 39例
ANCA関連血管炎 93例
大血管炎 7例
皮膚筋炎・多発性筋炎 46例
強皮症 18例
混合性結合組織病 1例
乾癬・関節症性乾癬 5例
強直性脊椎炎 1例
脊椎関節炎 2例
サルコイドーシス 36例
IgG4関連疾患 26例

外来診療表

当科の外来診療表はこちらからご覧いただけます。
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