高血圧に対する新たな治療の選択肢-カテーテルで行う「腎デナベーション治療」
高血圧について
日本における高血圧患者さんは約4300万人いるといわれており、じつに3人に1人が高血圧をわずらっています(図1)。
高血圧は高齢の方の病気という印象があると思いますが、実は就労年代からわずらっている方も多く、30歳代の高血圧は男性で約20%・女性で約6%、40歳代の男性約36%・女性約14%、50歳代の男性約61%・女性約36%といわれます(図2)。このうち治療を受けていてコントロールが良好な方はたったの27%で、治療をしても十分でない方が29%、未治療の方が44%といわれています。高血圧を指摘されても症状がないため、治療の必要性を感じない方も多くいらっしゃいますが、高血圧は脳・心臓・血管・腎臓に大きなダメージを及ぼし、これら臓器の疾患になりやすくなります。代表的なものとしては、脳出血・脳梗塞・心筋梗塞・心不全・大動脈解離・腎不全などがあり、いずれも命に関わる極めて怖い疾患や病態で、脂質異常や高血糖と比べても高血圧の影響が最も高いといわれています。実際に日本でも高血圧に関わる疾患によって年間約20万人が亡くなってしまい(図3)、2013年の約17万人から増加しています。そのため高血圧は症状がないからといって甘く見ることはお勧めできません。
2025年8月のガイドラインでは、ご家庭での血圧で135/85mmHg以上が高血圧に該当します。血圧は測定しないと数値が分かりませんので、定期的に測定されることをお勧めします。
高血圧は高齢の方の病気という印象があると思いますが、実は就労年代からわずらっている方も多く、30歳代の高血圧は男性で約20%・女性で約6%、40歳代の男性約36%・女性約14%、50歳代の男性約61%・女性約36%といわれます(図2)。このうち治療を受けていてコントロールが良好な方はたったの27%で、治療をしても十分でない方が29%、未治療の方が44%といわれています。高血圧を指摘されても症状がないため、治療の必要性を感じない方も多くいらっしゃいますが、高血圧は脳・心臓・血管・腎臓に大きなダメージを及ぼし、これら臓器の疾患になりやすくなります。代表的なものとしては、脳出血・脳梗塞・心筋梗塞・心不全・大動脈解離・腎不全などがあり、いずれも命に関わる極めて怖い疾患や病態で、脂質異常や高血糖と比べても高血圧の影響が最も高いといわれています。実際に日本でも高血圧に関わる疾患によって年間約20万人が亡くなってしまい(図3)、2013年の約17万人から増加しています。そのため高血圧は症状がないからといって甘く見ることはお勧めできません。
2025年8月のガイドラインでは、ご家庭での血圧で135/85mmHg以上が高血圧に該当します。血圧は測定しないと数値が分かりませんので、定期的に測定されることをお勧めします。
高血圧の原因
高血圧の原因のほとんどが生活習慣に起因します。具体的には、食事・運動不足・喫煙・アルコール摂取・睡眠不足などです。
しかし高血圧の一部の方(約10%)は内分泌疾患が原因で高血圧に至る方もいらっしゃいます。内分泌疾患による高血圧は治療法が異なり、また検査をしないと判別がつかないといわれています。
しかし高血圧の一部の方(約10%)は内分泌疾患が原因で高血圧に至る方もいらっしゃいます。内分泌疾患による高血圧は治療法が異なり、また検査をしないと判別がつかないといわれています。
高血圧症専門外来
当院は国民の3人に1人の高血圧に対して専門外来を2024年4月から試験運用を開始し、2025年9月に「高血圧症専門外来」を開設しました。
心臓・血管の専門医である循環器内科が担当しますが、検査にて内分泌疾患が疑われた際は当院内分泌内科にて更なる精査加療を行います。また後述する高血圧症の多職種連携治療チームを創設し、チーム一丸になって高血圧を治療しています。
高血圧症専門外来をご希望の方は当院循環器内科を受診いただきご相談ください。
心臓・血管の専門医である循環器内科が担当しますが、検査にて内分泌疾患が疑われた際は当院内分泌内科にて更なる精査加療を行います。また後述する高血圧症の多職種連携治療チームを創設し、チーム一丸になって高血圧を治療しています。
高血圧症専門外来をご希望の方は当院循環器内科を受診いただきご相談ください。
高血圧の検査
高血圧の検査は上述の内分泌を調べる採血・採尿から始まります。
後述のとおりご家庭で血圧測定することも大事な検査ですが、24時間血圧計という、1日装着している間に定期的に血圧を測定する検査があります(図4)。
これは患者さんが測定できない夜間にも自動的に血圧を測定します。正常ですと日中の血圧に比べて夜間は低下しますが、夜間でも血圧が下がらない方やむしろ夜間に血圧が上がってしまう方は、同じ高血圧症でも脳・心臓・血管へのダメージが大きいといわれておりますので、当院は患者さんに24時間血圧計での検査をおすすめしております。
後述のとおりご家庭で血圧測定することも大事な検査ですが、24時間血圧計という、1日装着している間に定期的に血圧を測定する検査があります(図4)。
これは患者さんが測定できない夜間にも自動的に血圧を測定します。正常ですと日中の血圧に比べて夜間は低下しますが、夜間でも血圧が下がらない方やむしろ夜間に血圧が上がってしまう方は、同じ高血圧症でも脳・心臓・血管へのダメージが大きいといわれておりますので、当院は患者さんに24時間血圧計での検査をおすすめしております。

高血圧の治療
高血圧の治療は、食事療法・運動療法・薬物療法が基本となります。
治療経過はご家庭での血圧値を外来ごとに我々と一緒に確認して治療を進めていきます。また定期的に採血や24時間血圧計も実施し総合的に診療しています。高血圧は上の数値(収縮期血圧)と下の数値(拡張期血圧)がありますが、いずれの数値も下げ、それを維持することが大事です。2025年8月のガイドラインでの目標血圧は、ご家庭で125/75mmHg,病院で130/80mmHg未満ですが、治療を開始してもすぐに目標値に達しない方もいらっしゃいますが、高血圧の治療は階段を上るように段階的に進んでいきますので焦らずじっくり我々と一緒に治療をしていきましょう。血圧値を下げても症状がないので数値を下げる意義を感じにくい方もいらっしゃいますが、一つの目安として収縮期血圧を10mmHg低下すると、将来の脳卒中や心不全、心筋梗塞や狭心症の発症率を下げることができます(図5)。
治療経過はご家庭での血圧値を外来ごとに我々と一緒に確認して治療を進めていきます。また定期的に採血や24時間血圧計も実施し総合的に診療しています。高血圧は上の数値(収縮期血圧)と下の数値(拡張期血圧)がありますが、いずれの数値も下げ、それを維持することが大事です。2025年8月のガイドラインでの目標血圧は、ご家庭で125/75mmHg,病院で130/80mmHg未満ですが、治療を開始してもすぐに目標値に達しない方もいらっしゃいますが、高血圧の治療は階段を上るように段階的に進んでいきますので焦らずじっくり我々と一緒に治療をしていきましょう。血圧値を下げても症状がないので数値を下げる意義を感じにくい方もいらっしゃいますが、一つの目安として収縮期血圧を10mmHg低下すると、将来の脳卒中や心不全、心筋梗塞や狭心症の発症率を下げることができます(図5)。
高血圧多職種連携チーム
当院は高血圧に対して多職種連携チームで対応しております。
当院ではHRT (Hypertension Renal Denervation Treatment) チームと呼んでいます。構成は医師・看護師・管理栄養士・理学療法士・薬剤師・検査技師・事務員です(図6)。
医師は治療全般のかじ取り役として、看護師は家庭血圧測定の仕方やその他指導、管理栄養士は食事療法の指導、理学療法士は運動療法の指導、薬剤師は内服薬の説明や服薬状況の確認、検査技師は24時間血圧計などの検査、事務員はかかりつけ医との連携等で患者さんの高血圧を診療していきます。この高血圧多職種連携チームは後述の腎デナベーション治療でも関わっていきます。
当院ではHRT (Hypertension Renal Denervation Treatment) チームと呼んでいます。構成は医師・看護師・管理栄養士・理学療法士・薬剤師・検査技師・事務員です(図6)。
医師は治療全般のかじ取り役として、看護師は家庭血圧測定の仕方やその他指導、管理栄養士は食事療法の指導、理学療法士は運動療法の指導、薬剤師は内服薬の説明や服薬状況の確認、検査技師は24時間血圧計などの検査、事務員はかかりつけ医との連携等で患者さんの高血圧を診療していきます。この高血圧多職種連携チームは後述の腎デナベーション治療でも関わっていきます。
カテーテルで高血圧を治療する腎デナベーション
カテーテルとは、細くて長い医療器具です。
様々な血管の治療に用いられており、代表的なカテーテルの治療は、狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療と思います。
このカテーテルで高血圧を治療することが「腎デナベーション」になります。腰のあたりに左右一つずつ腎臓がありますが、腎臓に血液を送る腎動脈の周囲には血圧を管理する神経がからみついています(図7、8)。カテーテルを用いてこの腎動脈の神経に影響を与え血圧を下げることができます。治療に用いたカテーテルは抜去しますので体内に何も残りません。
2023年にヨーロッパ高血圧学会のガイドラインにて世界で初めて「腎デナベーション」に「推奨」がつきました。
同年にはアメリカFDA(日本の厚生省のような部門)にて腎デナベーションが承認されました。その後70ヵ国以上で承認が進み、海外では多くの高血圧患者さんが治療を受けました。高血圧は日本においても多くの方が罹患している疾患であり、腎デナベーションは、食事療法・運動療法・薬物療法に加えた治療選択肢の一つとして検討される治療法です。
日本では2026年3月より腎デナベーション治療が承認され、実施可能となります。
当院では、承認前に実施された治験(患者さんのご協力のもと、治療の安全性や有効性などを確認する臨床試験)に参加し、腎デナベーション治療を行いながら知見を蓄積してまいりました。高血圧治療についてお悩みの方は、腎デナベーションを含めた治療方法について、医師が患者さん一人ひとりの状態に応じてご説明いたします。どうぞお気軽にご相談ください。
様々な血管の治療に用いられており、代表的なカテーテルの治療は、狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療と思います。
このカテーテルで高血圧を治療することが「腎デナベーション」になります。腰のあたりに左右一つずつ腎臓がありますが、腎臓に血液を送る腎動脈の周囲には血圧を管理する神経がからみついています(図7、8)。カテーテルを用いてこの腎動脈の神経に影響を与え血圧を下げることができます。治療に用いたカテーテルは抜去しますので体内に何も残りません。
2023年にヨーロッパ高血圧学会のガイドラインにて世界で初めて「腎デナベーション」に「推奨」がつきました。
同年にはアメリカFDA(日本の厚生省のような部門)にて腎デナベーションが承認されました。その後70ヵ国以上で承認が進み、海外では多くの高血圧患者さんが治療を受けました。高血圧は日本においても多くの方が罹患している疾患であり、腎デナベーションは、食事療法・運動療法・薬物療法に加えた治療選択肢の一つとして検討される治療法です。
日本では2026年3月より腎デナベーション治療が承認され、実施可能となります。
当院では、承認前に実施された治験(患者さんのご協力のもと、治療の安全性や有効性などを確認する臨床試験)に参加し、腎デナベーション治療を行いながら知見を蓄積してまいりました。高血圧治療についてお悩みの方は、腎デナベーションを含めた治療方法について、医師が患者さん一人ひとりの状態に応じてご説明いたします。どうぞお気軽にご相談ください。









