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肝胆膵手術について



はじめに「高度技能専門医・修練施設について」

肝胆膵外科が扱う疾患には肝臓がんや転移性肝がん、胆道がん、膵臓がん、脾臓の腫瘤などがあり、難治のがん(早期発見が難しく、治療効果が得られにくい、転移・再発しやすいなどの性質があるために、診断や治療が難しいがん)が多く含まれます。
この領域の手術は難易度が高い手術が多く合併症も多いことが知られており、そういった高難度の手術を、より安全かつ確実に行うことができる外科医を育てる目的で、2008年に日本肝胆膵外科学会により高度技能専門医制度が制定されました。
実際に高難度の肝胆膵手術に関しては、手術例数の多い施設では手術後の死亡率や合併症の発生率が低いことが様々な報告で示唆されており、ガイドラインでも手術例数の多い施設で外科的治療を受けることが推奨されています。
当院は学会の定める高難度肝胆膵手術を年間30例以上実施していることから、2020年に高度技能専門医修練施設(B)に認定されました。現在は高度技能指導医1名と高度技能専門医1名が常勤し、高度技能専門医を目指す修練医の指導にあたりながら、安全で質の高い手術を提供しています。

《 高度技能専門医が作成する術前シェーマの1例 》チームで手術の重要なポイントを共有し、安全性を高めています

肝切除(肝臓がん、転移性肝がん、胆嚢がん、肝門部胆管がんの治療)
膵切除(膵臓がん、遠位胆管がんの治療)

大きな肝切除、大きな血管の合併切除・再建を要するような高侵襲手術(1)から、傷が小さく体への負担が少ない腹腔鏡下肝切除術/腹腔鏡下膵体尾部切除術まで幅広く対応しています。
術前には最新の手術支援用3D画像解析システム(SYNAPSE VINCENT)を活用し(2)、詳細な手術計画を立てています。また、術中にはICG蛍光法を併用した肝亜区域切除術(3)など、安全で無駄のない手術を行なっています。
手術以外にも、放射線科や消化器内科、腫瘍内科と連携してラジオ波治療やTACE(肝動脈化学塞栓療法)や抗がん剤治療など、最適・最善の治療を提供するよう心がけています。膵臓がんでは、術前化学療法を積極的に導入し、生存率の向上を目指しています。

(1)高度な侵襲となる肝左3区域切除術

(2)SYNAPSE VINCENTを用いた術前シミュレーション

(3)ICG蛍光法を用いた腹腔鏡下肝亜区域切除

当診療科からのメッセージ

肝胆膵のがんは、難治のがんですが決して不治のがんではありません。
ですが医学の進歩によって治療法は多岐に渡り細分化されており、その様々な治療法を理解して、ベストの治療を選択することはとても難しく、専門家の協力が必須です。
がんの手術というのはこれを読んでくださっているあなた自身や、あなたにとって大切な誰かが、一生に一度経験するかどうかという人生の一大事です。分からないこと、初めてのことばかりで不安も大きいと思いますが、当院では肝胆膵のがんの手術には必ず高度技能専門医が責任者として携わり、術前からできる限り丁寧な説明を行なって納得のいく治療を受けて頂くようにしています。
80代後半から90歳の高齢者であったり、心臓や腎臓など複数の合併症をお持ちの方であったりしても、諦めずにまずは可能な限り切除の可能性を追求します。残念ながら完全に治すことが難しい場合や手術が出来ない状況であっても、できる限りご希望に沿った治療が受けられ、不安の少ない生活が送れるよう、我々が継続的にサポートします。
みなさんが病気や手術を正しく恐れ、正しく理解し、正しく選択するためのお力になれれば幸いです。

外来診療表

当科の外来診療表はこちらからご覧いただけます。
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