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脳神経外科



概要特色

三井記念病院脳神経外科は昭和45年に初代部長山田久先生が開設し、齋藤勇先生・福島孝徳先生・田草川豊先生の後、2012年から中口が5代目部長を務めています。中口赴任後、脳外科当直・脳外科救急外来を開始するとともに、手術ナビゲーションシステム・術中ICG蛍光診断・脳神経モニター(経頭蓋MEP・VEP・下位脳神経モニター・SEP)等のハイテク機器を手術に導入しました。2015年に2台目の手術顕微鏡が配備され、並列で手術が行えるようになりました。

当科で使用する手術顕微鏡(Leika M525F50)     誘発筋電図検査装置(日本光電Neuromaster G1 smart)   手術ナビゲーションシステム(Medtronic StealthStation S7)
脳腫瘍の治療では、中口は腫瘍を摘出するための術式を考案し(蝶形骨洞翼状突起内到達法、小脳虫部経上錐体裂到達法等)、腫瘍の術前分析や手術アプローチ選択に役立てるために画像研究を行い(MRI FLAIR 法、T2*強調画像、CTA/CTP同時施行法)、実際の手術にあたっては2006年より手術ナビゲーション・術中神経機能モニターを導入しその有効性と注意点を学会で発表してきました。脳腫瘍病理研究では髄膜腫術後の再発率予測に対するMIB-1ラベリングインデックスの有用性を報告しました(Cancer.85(10):2249-2254,1999)。このように、脳腫瘍に罹患された患者さんの予後を良くしたいという観点から、日々創意工夫を行っています。
中口は、2019年3月付で日本脳卒中の外科技術指導医に認定されました。脳卒中の外科技術指導医は動脈瘤クリッピング術100件以上・学会発表や論文発表をコンスタントに行っていること等を必要条件として審査され、2019年4月時点で脳神経外科専門医の9.6%のみが認定されています。
急性疾患の中で最も死亡率が高いくも膜下出血は2012年から2018年末まで計40回、未破裂を含む脳動脈瘤は85回手術(脳動脈瘤クリッピング術、脳動脈瘤コイル塞栓術)を行いました。
今後も合併症の少ない手術を心がけます。

2019年の三井記念病院脳神経外科の目標

  1. 脳外救急体制を拡充し、地域医療に貢献します。
  2. 脳卒中、微小血管神経減圧術、脳腫瘍の3枚看板を掲げます。
  3. チームワークがいいと内外から評価される脳神経外科チーム作りを目指します。

2018年実績

2018年1月から12月の年間手術件数は293件でした。顔面痙攣・三叉神経痛・舌咽神経痛に対する微小血管減圧術は、尼崎賢一科長が担当し173件でした。全国から当院での微小血管減圧術を希望され患者さんが来院されています。脳血管内治療は、細野篤医長がハイブリッド手術室(全身麻酔下に開頭術と血管内治療が同時に行えます)で脳動脈瘤コイル塞栓術24件、内頸動脈ステント留置術19件など49件行いました(前年比75%増)。開頭腫瘍摘出術は内田達哉医師が担当し、2018年は13件でした(過去6年の合計115件)。その他脳神経外科疾患全般に対応しております。

地域医療機関との連携・学術活動

地域医療なくして脳外科診療は成り立たないと考えています。部長は神田医師会に入会して周囲医療機関と連携し、脳外科医4人あわせて月16日間の当直体制をとり、連携病院からの紹介患者は極力断らない方針としています。
学会発表や論文執筆をコンスタントに行うことで、医療の質を担保し他病院から信頼されることも重要であると考え、2018年は脳神経外科全体で教科書原稿や学会抄録を5編発表(2012年から英語論文13編・日本語原稿37編執筆)、学会や講演会で19回発表しました(同107回)。院内カンファレンス、薬剤・手術機器説明会(同289回)、脳外科5病院カンファレンス、脳神経外科学会関連学会などで最新の医療情報を取得し、患者さんの治療に役立てるよう心がけています。
中口は「今日の治療指針2019年度版」で「くも膜下出血」の項を担当し、「脳梗塞にならない生活習慣-コーヒーを飲む習慣の観点から」と題した市民公開セミナーを行い、顔の見える脳神経外科医として健康増進活動を行っています。

主な対象疾患

  • 顔面痙攣・三叉神経痛・舌咽神経痛(いわゆる神経血管圧迫疾患群)
  • 脳卒中(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞) に対する手術全般(脳動脈瘤クリッピング術、バイパス術、内頚動脈内膜剥離術、脳動脈瘤コイル塞栓術、内頚動脈ステント留置術、脳動脈血栓回収術、tPA静注療法など)
  • 未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤クリッピング術、脳動脈瘤コイル塞栓術)
  • モヤモヤ病(直接的•間接的血行再建術)
  • 良性脳腫瘍(髄膜種、聴神経鞘腫など)
  • 悪性脳腫瘍(転移性脳腫瘍、悪性神経膠腫などに対する手術・化学・放射線療法)
  • 手術で治せる認知症(正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫)
肺がん、乳がん、消化器がんなどが転移して発生する転移性脳腫瘍は院内の当該科から紹介を受け、手術のみならず放射線治療の選択も加味しつつ治療を行っております。脳を原発とする悪性、良性脳腫瘍、水頭症など、脳神経外科として治療が必要な患者さんは定期的に紹介来院されております。脳ドックで偶然みつかった脳の病気がおありの方はぜひご相談ください。

各医師・手術紹介(動画を含む)

※手術中の映像であり、不快感を伴う恐れがございますのでご注意ください。
  • 中口医師
中口は以前より脳卒中や頭部外傷をはじめとする救急疾患の治療を手掛けており、当院においても時間内外を問わず救急患者を受け入れられる体制を目指しております。くも膜下出血、脳出血をはじめとする出血性病変の治療はもとより、いわゆる閉塞性脳血管障害といわれる脳梗塞のなかでも外科的治療を必要とされる頸動脈内膜剥離術やバイパス手術を得意としております。近年の画像診断の進歩はめざましいものがあり、特に脳ドックでは無症候性の血管病変が見つかることも稀ではありません。そのような病変が見つかった場合に症状がないうちに治療をすべきかどうか、更には治療の選択につきまして丁寧に説明いたします。
7.「今日の治療指針2019年版」の「くも膜下出血」、「2017年版」の「脳出血の治療」の項を担当しました。
 「今日の治療指針」は毎年発行され、大手書籍通販サイト治療・薬物療法部門売上1位(2017年1月16日現在)を獲得する
 開業医・勤務医に広く好評・信頼を得ている書籍です。
  • 尼崎医師
片側顔面痙攣、三叉神経痛、舌咽神経痛などのいわゆる神経血管圧迫症候群に関しては、前部長の元で経験を積んだ尼崎科長が中心となり治療を行っております。片側顔面けいれん、三叉神経痛、舌咽神経痛の根治的な外科治療である頭蓋内微小血管減圧術は当院にて以前より継続的に行っており、他施設に追随を許さない治療実績を持ちます。頭蓋内微小血管減圧術は脳神経外科の中でも機能的脳神経外科として位置づけられ、手術に際しては、確実な減圧と合併症予防のために比較的高い技術が要求されます。本ページ下方に手術方法についてイラスト、手術ビデオがありますので、ぜひご覧ください。
また、初診時から入院までの対応や、適切な術前術後管理も重要です。多くの患者さんに接して感じることは、これらの病気を持つ方々は周囲の人が思っているよりも、よほどつらい思いをしているという現実です。ですからまずは外来にて患者さんの症状と丁寧に向き合うことからスタートします。三叉神経痛、舌咽神経痛であればまずは投薬治療からスタートし、片側顔面痙攣であればボトックス治療も選択可能です。通院のみで治療されている患者さんも多数いらっしゃいます。手術を選択される場合には、前述の如く、手術の技術は当然のことながら、術後管理も合併症予防の観点から重要となりますが、多くの患者さんの治療経験から、安心して治療に臨んでいただけるよう対応しております。
基本的には10日間の入院期間を設定しておりますが、経過によってはより早期の退院も可能です。今後もよりたくさんの患者さんに携わっていければと考えておりますので、顔がピクピクする、顔が痛い、喉が痛いなどの症状でお困りの方はぜひご相談下さい。
2015年4月には当治療が当院広報誌にも特集され、クリニカルパス(患者さんの治療計画)も公開しておりますので、ぜひご覧ください。
【広報誌 ともに生きる】 掲載誌はこちら
【頭蓋内微小血管減圧術のクリニカルパス(患者さんの治療計画)】 詳細はこちら

部長

中口 博(なかぐち ひろし)

中口 博

学会認定
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医・指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本脊髄外科学会認定医
日本脳卒中の外科学会認定技術指導医

専門分野
脳血管障害、脊椎脊髄疾患、脳腫瘍、頭部外傷

科長

尼崎 賢一(あまがさき けんいち)

尼崎 賢一

 
 

学会認定
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医・指導医
日本脳神経減圧術学会 運営委員
World Neurosurgeons Federation of Cranial Nerve Disorders 委員

専門分野
三叉神経痛、顔面痙攣、舌咽神経痛、ボトックス、脳腫瘍

医長

細野 篤(ほその あつし)
学会認定
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医

専門分野
脳血管障害、脳腫瘍、その他脳神経外科疾患一般

医員

内田 達哉(うちだ たつや)
学会認定
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医

専門分野
脳血管障害、脳腫瘍、その他脳神経外科疾患一般

非常勤

立林 恭子(たてばやし きょうこ)
学会認定
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医

専門分野
ボトックス

実績

実績

疾患別退院患者件数(2018年1月~12月) 376例
顔面けいれん 134例
脳動脈瘤 43例
三叉神経痛 38例
脳出血 29例
脳腫瘍 26例
慢性硬膜下血腫 23例
内頚動脈狭窄症 18例
脳梗塞 17例
脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻 11例
水頭症 7例
くも膜下出血 7例
舌咽神経痛 5例
外傷性急性頭蓋内出血 5例
その他 13例
*このデータは脳外科入院後の院内他科への転科患者数も含みます。


手術件数(2018年1月~12月) 293例
頭蓋内微小血管減圧術 173例
脳動脈瘤コイル塞栓術 24例
慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 23例
経皮的頸動脈ステント留置術 19例
頭蓋内腫瘍摘出術 13例
水頭症手術(シャント術) 9例
頭蓋内血腫除去術 6例
脳動脈瘤頸部クリッピング 1例
その他 25例

外来診療表

当科の外来診療表はこちらからご覧いただけます。
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