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消化器内科



概要特色

消化器内科は、消化管、肝臓、胆道、膵臓などの広い領域で、患者さん・地域のドクターからニードの多い消化器疾患の診療を高いレベルで実現することをミッションと考えております。特に、ESD年間70例、無痛ラジオ波治療年間100例以上など、消化器腫瘍の新しい低侵襲治療に力を入れています。また、近年患者数の増加が著しい炎症性腸疾患の診療にも積極的に取り組んでいます。

主な対象疾患

  • 肝臓がん
  • 肝硬変
  • 大腸ポリープ
  • 胃がん
  • 総胆管結石
  • 膵臓がん
  • 消化管出血
  • 大腸がん
  • 胃潰瘍
  • 胆管がん
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、腸管ベーチェット病など)
  • その他、消化器レントゲン検査(胃・大腸)、消化管内視鏡検査も多数行っています。

総胆管結石の治療(EST)

内視鏡的乳頭切開術

三井記念病院ではEST(内視鏡的乳頭切開術: Endoscopic Sphincterotomy)を年間90例以上行っています。より患者さんへの負担が少ない内視鏡的手術です。
ESTは、内視鏡を十二指腸まで挿入し、胆管・膵管の出口にあたる乳頭部にEST用ナイフを挿入し、高周波(電気メス)を用いて切開します。
結石を除去し、胆道が閉塞して起こる黄疸を軽減させるために行います。

内視鏡によるがん治療(ESD)

ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術:Endoscopic Submucosal Dissection)は内視鏡的手術の新しい治療法で、早期がんの中でもさらに早期の病変に対して、胃カメラや大腸カメラで消化管の内腔から粘膜層を含めた粘膜下層までを剥離し、病変を一括切除するという治療法です。お腹を切らずに内視鏡により癌を切除します。三井記念病院では年間70例を超える治療法です。

ESD治療に用いられる器具

ESDの手技

(1)マーキング
内視鏡を胃の中に入れ、病変の周辺に切り取る範囲の目印をつける

(2)局注
粘膜下層に薬剤を注入して浮かせた状態にする

(3)切開
マーキングを切り囲むようにナイフで病変部の周囲の粘膜を切る

(4)粘膜下層の剥離(はくり)
専用ナイフで病変を少しずつ慎重にはぎとる

(5)切除完了
ナイフを使って最後まで剥離(はくり)する、または最後にスネアで切り取る

(6)止血
切り取ったあとの胃の表面に止血処置を施し、切り取った病変部は病理検査に出すため回収する

(7)病理検査
切り取った病変は顕微鏡による組織検査をし、根治しているかどうかの判断をする

肝がんの治療

肝がんは、外科的手術、無痛ラジオ波焼灼療法で対応できる初期の状態から、肝動脈塞栓術、肝動注療法、抗がん剤治療(ソラフェニブなど)、放射線療法等が必要となる進行期の状態があります。三井記念病院では、無痛ラジオ波焼灼療法に限らず肝がんのいずれのステージにおいても、病期にあわせた最適な治療を行うことが可能です。もちろんご希望があれば、他施設からのセカンドオピニオンも快くお受けいたします。

無痛ラジオ波焼灼療法のご紹介

2021年肝癌診療ガイドラインでは、3cm以内、3個以内の肝細胞がんに関しては手術およびラジオ波焼灼療法がともに第一選択とされています。しかし肝がんの広がりや残存肝機能の影響で、発見時に手術を受けることのできる患者さんは、全体の約3割と言われています。また、手術を受けることができても、5年以内に70-80%の患者さんで肝がんが再発します。そのため手術以外の効果的な治療法として、無痛ラジオ波焼灼療法が注目されています。近年、転移性肝がんの治療にも応用され、良好な成績が報告されるようになってきました。
無痛ラジオ波焼灼療法は、お腹を「切らず」にがんを治す画期的な治療法です。

無痛ラジオ波と無痛ラジオ波焼灼療法のイメージ画像

炎症性腸疾患の治療

炎症性腸疾患とは、ヒトの免疫機構が異常をきたし、自分の免疫細胞が腸の細胞を攻撃してしまうことで腸に炎症を起こす病気で、患者さんは慢性的な下痢や血便、腹痛などの症状を伴います。主に潰瘍性大腸炎とクローン病の2種類があり、両疾患とも比較的若い方に発症しやすく、一旦発症すると根治することはまれであり、生涯治療を継続する必要があります。三井記念病院の炎症性腸疾患診療の特色は、加藤医師を中心としたとことん患者さん目線にたった診療です。5‐アミノサリチル酸製剤や栄養療法から最新の生物学的製剤までを駆使し患者さんの病態、そして社会生活に適した治療を行っています。病気を持ちつつも、可能な限り普段通りの生活ができるためにはどのような治療方針が望ましいか?いつもその視点から、患者さんひとりひとりにもっともよい治療選択を考えています。

潰瘍性大腸炎の内視鏡像

クローン病の内視鏡像


主な手術・検査・処置などのご案内

手術・検査・処置名 予定入院日数 説明
経皮的ラジオ波焼灼術(RFA) 5日 ラジオ波焼灼治療(Radiofreequency Ablation:RFA)はラジオ波により発生した高熱により病変部を凝固壊死させる治療法です。
経皮的肝動脈塞栓術(TAE) 5日 肝動脈塞栓術とは、がんに栄養を供給している血管を人工的に塞ぎ、がんを壊死させる治療法です。
胃癌の内視鏡的粘膜下層剥離術 6日 早期胃癌・早期大腸癌に対して行われる手術です。お腹を切らずに内視鏡により癌を切除します。身体に負担の少ない治療方法です。大腸の内視鏡的粘膜下層切除術3日※内視鏡的治療の適応については医師にご相談ください。
大腸の内視鏡的粘膜下層切除術 3日
※上記はクリニカルパスを使用しています。
 その他、CF(大腸内視鏡検査)・ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)・肝生検・PEG造設なども行っています。

臨床研究について

研究課題名 責任医師 説明文
食道ESD/EMRにおける偶発症に関する全国調査に関する研究 消化器内科 小島健太郎 【 PDF 】

担当医師

部長/内科部長/内視鏡部 部長

戸田 信夫(とだ のぶお)

戸田 信夫

専門分野
各種消化器悪性腫瘍の診断治療、上部下部消化管内視鏡検査、胆道膵疾患の内視鏡治療、腹部画像診断

科長

関 道治(せき みちはる)

関 道治

専門分野
食道・胃・大腸など消化管疾患、特に消化管早期癌のESD(粘膜下層剥離術)による治療に力を入れている。

科長

小島 健太郎(こじま けんたろう)

小島 健太郎

  
  
 

学会認定
日本消化器病学会消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
日本内科学会総合内科専門医

専門分野
消化管疾患の診断・検査・治療、特に食道・胃・大腸の早期癌・前癌病変に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、ダブルバルーン小腸内視鏡検査、消化管進行癌に対する集学的治療

科長

髙木 馨(たかぎ かおる)

学会認定
日本消化器病学会消化器病専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医

専門分野
胆道膵臓疾患の検査・治療


医長

近藤 真由子(こんどう まゆこ)

学会認定
日本消化器病学会消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医
日本肝臓学会肝臓専門医・指導医
日本内科学会総合内科専門医

専門分野
消化器病全般、慢性肝炎、肝硬変、肝癌の診断と治療

非常勤医師

加藤 順(かとう じゅん)
学会認定
日本消化器病学会消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医
日本内科学会総合内科専門医

専門分野
炎症性腸疾患、大腸内視鏡

非常勤医師

山口 肇(やまぐち はじめ)
専門分野
上部消化管内視鏡検査

非常勤医師

大木 隆正(おおき たかまさ)
学会認定
日本肝臓学会肝臓専門医

専門分野
肝癌治療、ラジオ波

実績(2022年)

上部消化管内視鏡 3,851例
下部消化管内視鏡 2,791例
超音波内視鏡 97例
ERCP 440例
EST 139例
ESD 108例
消化管ステント 35例
胆道金属ステント 38例
内視鏡的消化管止血 71例
内視鏡下イレウス管挿入 16例
胃瘻造設 20例
カプセル内視鏡 39例
ダブルバルーン小腸内視鏡 16例
ラジオ波 113例
TAE 32例

外来診療表

当科の外来診療表はこちらからご覧いただけます。
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